1 ・2 年合同基礎講座記録
講義題名 カワウと人との多様なかかわり
日時 令和7年11 月27 日(木曜日) 午後13 時00 分〜午後14 時00 分
研修場所 彦根商工会議所大ホール
講師 亀田佳代子
内容

・生態系におけるカワウの機能としてのカワウによる水域から陸域への物資の輸送とその
機能の説明。
・琵琶湖湖畔のカワウ集団繁殖地の森林森林に対する「糞」の影響についての説明。
・カワウと人との歴史的なかかわり関わりについて説明。
ウの仲間は4種類(カワウ、ウミウ、ヒメウ、チシマウガラス)で、カワウ以外は海で暮
らしている。昼は川辺にいるが夜は森にかえり集団で寝る。卵は鶏卵大でややとがってい
る。水色がかっており、1回の産卵で3から4個産む。成体になれるのはそのうち1〜1.7
羽である。
巣を作るために、森の木の枝を使用するため、木が傷んでしまう。また、糞と尿の混ざっ
た白い排泄物を垂れ流すため、森の木が腐食される。驚くと、口に含んでいた魚を落とす
こともあり、森は生臭い臭いがする。カワウの大量発生は、生態系を変えてしまう。木の
なくなった森は、草原となり、荒れ地となる。カワウは木がなくなるとその地から移動し
て、また他所で同じことを繰り返す。そのため、害鳥として駆除される歴史を繰り返す。
(カワウの糞は窒素やリンが多いため、栄養過多となり、小さな池などは腐敗してしまう)
ではなぜ、カワウは存在するのか。
カワウの糞は窒素やリンが多く含まれている。森で糞をする。魚や糞は良い有機肥料とな
り、人にとって自然の恵みであった。人はこれらを利用して作物を作る。雨が降ると、陸
から海に向かって有機物が流れる。リンは水に溶けると陸には上がれない。よって、陸で
糞を垂れ流すカワウは、貴重な存在であった地域もあった。(人にとって+となることを
生態系サービスという)
カワウに限らず鳥は飛ぶことにより、物を運んでつなげる機能がある。水辺から陸への物
資輸送(糞の中の養分や種、羽などに付着した水草等を陸に運ぶ。)物資は森の栄養や森
を作っていく。そして雨が降り、また水に溶けた養分が海に戻っていくという生体系循環
が繰り返される。
現在は、化学肥料の普及により、カワウの存在価値が低くなっている。糞害や、湖の魚(食
害)の減少があり、害鳥として扱われることのある在来種である。
感想水鳥の生態系を理解することができた。環境の多様性が生物の多様性をはぐくむ琵琶湖は
古代湖である。琵琶湖の周りに人々が住み利用する。長い歴史の中で生命と文化のみが関
わり合う環境は特異物のようだ。これからも、この環境とバランスを保てるよう、努力し
ていかなければならない。